筋膜リリースでストレッチ効果を高めよう。リリースするだけで柔軟性がアップすることも!
■筋膜リリース実施タイミング 体が温まっているとき(運動後、風呂上りなど)
■目的 筋膜の癒着・硬縮をリリースする(体の機能を正常に戻す)
筋膜は筋肉や骨、臓器などあらゆる組織を途切れなく全身を覆っている膜です。
例えば、みかんの皮が皮膚だとしたら、その中のみかん一つひとつを包んでいる膜、さらにみかんの中の一つひとつの粒を包んでいる膜が筋膜であると考えると分かりやすいかも知れません。
つまり、組織がバラバラにならないように、薄い膜が体中を包んでいるのです。
この膜がなぜ大切かと言うと、膜のどこかがねじれたり、縮んだりして膜同士がくっついてしまうと、体のどこかに不調を抱える原因として考えられているからです。
問題が起こっている部分=「トリガーポイント」
直接的なものとしては、癒着や硬縮など問題を起こしている箇所に何らかの痛みや不快感が現れます。簡単に言えば、皮膚をつねったら、痛いのと同じようなもので、筋膜が縮んで引っ張られた状態になったりすることで普段とは違ったストレスがかかり、痛みやズキズキ感などの不調をきたすことになるのです。
この問題を起こしている箇所をトリガーポイントと言います。
このように筋膜の不調によって原因となっている箇所そのものが不調をきたすケースがあります。
筋膜を全身を途切れなく覆っている膜であるとお話ししました。
これは何を表しているのかと言うと、筋膜はひと繋がりになっていて、”一つのもの”であると言うことです。
つまり、問題を起こしているトリガーポイントの箇所そのものが不調になることもあれば、トリガーポイントには問題は無いが、違った箇所や遠く離れた箇所が不調になることも少なくないのです。
これは神経が筋膜全体に連動して繋がっているからであり、引っ張られたり、縮んだりしたトリガーポイントを原因として筋膜は全体的にバランスを崩すことになります。
そのため、どの部分においても何らかのテンションがかかることになり、トリガーポイントを引き金として、あらゆる箇所が不調を起こしてもおかしくないのです。
癒着や硬縮が起こる原因
筋膜の癒着や硬縮が起こる原因としては、いつも同じ姿勢を取ることが多い場合。
例えば、座り仕事、脚を組む癖がある、スマホを長時間することが多いなどです。
これは生活習慣により筋膜に影響が出るケースですが、即時的に発生するケースもあります。
例えば、体をどこかに打ちつけて打撲したような場合です。
スポーツにおいては日常茶飯事と言ってもよく、特にコンタクトスポーツなどで起こりやすいと言えます。
そのため、スポーツ選手はストレッチをはじめとしてボディケアは欠かせない取り組みなのです。
以上のように筋膜を起因として、痛みや不快感などの不調の原因となっているところをほぐして癒着や硬縮をリリース(解く)してあげることが、体の正常な状態に戻してあげる上で非常に大切なのです。
また、体の不調だけでなく、ストレッチの効果を十分に引き出すためにも筋膜の不調は取り除いておく必要があります。
なぜなら、筋膜に問題があることで、せっかくストレッチしているのに伸びが不十分になったり、ストレッチ中に不快感や違和感が生じてしまうからです。
筋膜リリースで体を正常に戻してあげることは、ストレッチによる筋の伸びを十分に引き出してくれることになります。
なかなか柔らかくならなかったのが、筋膜リリースをすることで、制限が取れたように柔軟性や可動域が広がることもよくあります。
まずは予防することが大切
最も良い方法は、筋膜に問題を起こさないように予防措置として常にケアしておくことです。
予防の場合も、下記で紹介している筋膜リリースの手法を1日おきなど習慣にして続けていくことで可能になります。
この場合は、リリース時間としては動画で実践している半分くらいの時間でよいでしょう。
このようにすることで問題の種が植えられたら、すぐに対処することでき、常に体の機能を正常に保つことに繋がるのです。
まずは筋膜に問題が出ないように日頃からケアする、問題が出たらしっかりと筋膜リリースで問題を取り除く。
このよに考えることが大切であると言えます。
筋膜リリースは、もちろん筋膜をターゲットとしています。
でも、リリースしている最中に起こっている身体的な反応としては、筋肉や腱を伸ばすストレッチ効果や筋肉に圧を加えるマッサージ効果も得られています。
このように筋膜リリースは一石三鳥くらい体にとって好影響をもたらすのです。
ぜひ、筋膜リリースを日頃の生活に取り入れて、健康的な体を保ち続けて下さい。
以下、筋トレサイトの筋膜リリースページを参考にしています。
筋膜リリースの方法
それぞれの部位をリリースする方法を動画で解説します。まずは筋膜リリースとは何かを学び、実践へと進んでいきましょう。
筋膜リリースとは
筋膜リリースについて簡潔に解説しています。
実践の前に筋膜とは何かを学んでみましょう。
足の裏編
足の裏はテニスボールを使ってリリースします。
方法はテニスボールを足で踏むだけですが、適当に行うのではなく、神経を脚の裏に集中させて抜かりなく行うようにしてみましょう。
ふくらはぎ編
ふくらはぎはストレッチポール、またはテニスボールを使って行います。
ストレッチポールでは広い範囲に圧を加えることができ、テニスボールは範囲を定めて鋭角的に圧を加えることができます。
日頃から行うことで、むくみの予防や改善にも効果的です。
太もも裏(ハムストリングス)編
太ももの裏はストレッチポールを使って行います。
最初は、重心の乗せ方にコツがいるかも知れませんが、続けていくうちに圧のかけ方が身に付いてくると思います。
まずは、脚を乗せることから始めて、慣れてきたらもう片方の脚を乗せる形で圧の調節を行ってみましょう。
太もも前側(大腿四頭筋)編
太ももの前は裏と同じようにポールを使ってリリースしていきます。
太ももの前側は刺激を加え過ぎると、不快な痛みを生じますので、最初の内はそっと乗せる形から始め、徐々に圧を加えていきましょう。
特に脚の付け根(股関節付近)は筋膜に影響が出やすいので、入念に行ってあげるといいでしょう。
太もも内側(内転筋群)編
太ももの内側も足の付け根を重点的に、膝付近までストレッチポールを転がして行ってみましょう。
圧が少ない場合は、手で押さえて圧の調節をするとよいでしょう。
脚を横に広げて行うことから、股関節の柔軟性アップにも効果的です。
太もも外側(大腿筋膜張筋・腸脛靭帯)編
太もも外側はポールを使って行いますが、圧の調節によっては非常に痛みを伴います。
特に大腿筋膜張筋に繋がる腸脛靭帯への大きな刺激は何とも言えぬ嫌な痛みが生じます。
上半身や支えている脚を使って調節し、まずは軽めの圧から始めるようにしてみましょう。
お尻(大でん筋)編
お尻の下にストレッチポールを置いて前後に転がすころで大でん筋をリリースしていきます。
支えている腕を使って圧を調節するようにします。
お尻の筋肉は、歩くときに脚をうしろに蹴る時に使い、座っているときは重い体を支え続けています。
酷使しているお尻を日頃のケアでサポートしてあげるようにしましょう。
背中(広背筋)編
横向きになり、広背筋の下にポールを置きます。
この姿勢から広背筋をまんべんなくリリースしていきます。
広背筋の機能が改善させることで、腕をうしろに引くような動作がスムーズにできるようになります。
肩甲骨周り編
肩甲骨周りは、姿勢や腕の動作に重要な働きをしています。
日頃からケアすることをおすすめします。
テニスボールを2つ繋げて脊柱(背骨)の間においてリリースしていきます。
細かい筋肉が多いので、腹筋を使って体の高さを変えながら、まずは慎重に行ってみるようにしましょう。
小胸筋編
小胸筋はテニスボールを使って行います。
小胸筋が硬いと肩甲骨の外転が大きくなり、猫背の原因にもあります。
血流を良くして、筋肉を伸ばすことにも重点を置いて、日頃からケアするとよいでしょう。